2016年12月29日木曜日

建物・建築について⑤


今週のお題:建物・建築について⑤

こんばんは。
2016年も残すところあと少しとなりましたね。

年末といえば、大掃除や帰省、年越しそば、お節料理の準備と色々とありますが、テレビのニュースなどでよく見かけるのは除夜の鐘と初詣の方々でしょうか。
除夜の鐘は寺院によっては体験できるところがありますね。
調べてみると、ここ京都も除夜の鐘をつけるところが多いです。
清水寺や大覚寺、南禅寺に建仁寺、夏にフィールドワークで参拝した比叡山延暦寺や青蓮院も除夜の鐘の体験ができます。ただし、寺院によっては整理券や予約が必要なところもありますし、本年度で一旦休止になるところもあります。

詳しくはこちらをどうぞ。
① http://www.e-kyoto.net/saiji/265
http://www.rurubu.com/season/winter/oshogatsu/list_joya.aspx?KenCD=26


除夜の鐘をつく体験をするためには混雑と寒い中、順番をひたすら待たなければいけないので大変ですよね。ただ、今回、ご紹介をするお寺。このお寺ほど除夜の鐘をつくのに大変なところはないかもしれません。
そのお寺は標高900mの三徳山に境内をもつ天台宗の山岳寺院、三徳山三佛寺(さんぶつじ)です。




【三徳山三佛寺(さんぶつじ)】


<鳥取県観光案内から引用>

奥院である投入堂は垂直に切り立った絶壁の窪みに建てられた他に類を見ない建築物で、国宝に指定されています。
屋根は軽快な反りを、堂を支える柱の構成などは建築美からも優れた建物です。
詳しい建造時期ははっきりとしていませんが、修験道の開祖、役小角が法力で建物ごと平地から投げ入れたという伝承が語り継がれています。

投入堂を間近で見るためには厳しい山道を辿っていかなければ行けませんが、ふもとの車道から投入堂を遠望できる「投入堂遙拝所」から投入堂を見ることができます。望遠鏡をご利用下さい。

[三徳山三佛寺投入堂までの登山]

三徳山の登山は、幅の狭い道やクサリを辿る道など、すべりやすい場所などもあります。
登山の際は、動きやすく両手が自由に動かせる服装や持ち物をおすすめします。
必要に応じて、軍手やタオル、水分など準備しましょう。

◇ 受付時間 8:00~15:00
◇ 入山料 大人 600円、小人(小中学生) 300円
◇ 入山手続きは、三徳山三佛寺本堂裏の登山事務所でお願いします。
◇ 2人以上で入山してください。
◇ 安全対策で、滑りにくい登山靴、運動靴、ワラぞうりでお願いします。
   ※登山道の荒廃防止のため、つえ、金具やスパイクのついた靴での入山は御遠慮ください。
   ※ワラぞうりの販売あり。
◇ 立ち入り禁止区域には入らないでください。
◇ 火器類の持ち込みは禁止しています。
◇ 荒天時は入山を禁止します。(積雪時入山禁止)






こちらが絶壁の窪みに建てられた投入堂です。
写真の通り参拝をするためにはちょっと危険が伴います。



絶壁ですね。
こちらは案内図です。


こちらは本堂です。



三徳山は修験道の開祖、役小角が修験者たちの行場として開いたことに始まります。
その為、安全柵の無い険しい山道を1時間近く登ってようやく辿り着く難所に建っています。
参拝者は本堂裏の「宿入橋(しくいりはし)」周辺から登り始め、木の根が入り組んだ「かずら坂」や「クサリ坂」などを進みながら、投入堂までの道のりを両手、両足、体全体を使って目指します。
その困難さから「全国にある国宝建築物の中でも、実際に見ることが難しいものの一つだと言える。」とも言われています。

ちなみに、大変な思いをして登りますが、三徳山の最終地点に位置する投入堂は中への立ち入りが禁止されているので、下から見上げる形の参拝になります。

参拝をするためには、まずは受付案内所にて本堂の拝観料を支払います。ここで服装チェックがあり、適した衣服を身につけていない方は本堂から先にある奥の院(投入堂)には入山できないことが告げられます。
靴も靴底がすべりやすい仕様であったり、逆に滑りにくいスパイクがついているものも樹木を傷めてしまうので不可です。一番、適しているのはわら草履のようです。受付で購入可能です。


受付では「厄除祈願」のお札がいただけます。見た目、ちょっと怖いですね。



さて、許可が得られると投入堂を目指し、出発。
こちらは宿入橋です。


木の根が入り組んだ「かずら坂」。軍手が必要な理由がわかります。


そして、「クサリ坂」。鎖を掴み、上まで登りますが傾斜がすごいですね。


「文殊堂」です。結構、高さがあります。


下から見上げるとこんな感じです。本来は不安定な岩肌にうまく建立された建築物ですね。



「地蔵堂」です。「文殊堂」と規模様式が同じです。


「鐘楼堂」です。
こちらの鐘は約1.15m、重さは約3tありますが、ここまでどのように運んできたのか未だに不明のようです。謎ですね。
そして、この「鐘楼堂」へ 大晦日、三徳山内寺院関係者と地元有志数人が除夜の鐘をつきにきます。


ちなみに、平成26年・27年と「三徳山開山千三百年祭」の一環として一般参加者を若干名募集していたようです。
残念ながら今年は募集が行われませんでしたが、また募集される機会がありましたら、寒さに耐久があり、体力に自信がある方は応募してみてはいかがでしょうか?
下記は27年度の告知です。



 
さてさて、鐘楼堂のあともさまざまな参拝場所を巡り、いよいよ三徳山の最終地点に位置する「投入堂」に到着します。


役小角が法力で建物ごと平地から投げ入れたという伝承ですが、法力とはすごいのですね。
鐘楼堂の鐘といい、謎だらけです。でも、謎のままのほうが興味深いですね。
こちらの投入堂を下から参拝し、来た道を下山します。
しかし、法力もさることながら客観的に見ても絶妙な場所に建立された建築物ですよね。







登山も大変でしょうが、下山も大変でしょうね。
私的には夏に雲母坂から比叡山への登山を試みて、山の大変さと体力のなさを痛感したので、参拝したい気持ちはありますが、とりあえずは体力づくりが優先かな…と考えております。
また、現在、鳥取県中部地震の影響により事故防止のため投入堂までの参拝登山ができません。
ただし、本堂や宝物殿は参拝が可能です。
再開時期は未定のようですが、再開され、参拝できる日を楽しみに待ちたいですね。




最後にこちらは宝物殿に安置されている「蔵王権現立像(ざおうごんげんりゅうぞう)」です。
日本最古の木造蔵王権現をはじめ7体の蔵王権現があります。
写真中央が投入堂のご本尊として安置された木造の金剛蔵王権現像ですが、現在は宝物殿に安置されています。



投入堂への参拝は難しいですが、ご本堂へ参拝し、日本最古の木造蔵王権現をひと目見に宝物殿へ向かうのもいいですね。





三徳山三佛寺http://www.mitokusan.jp/





















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