日に日に寒くなりますね。温かい飲み物で体が冷えないようにしましょう。
さて、童話『ヘンゼルとグレーテル』をご存じですか?幼いころに読んだ方もいるかもしれませんね。
せっかくなので物語を要約しますと…。
【ヘンゼルとグレーテル】
ヘンゼルとグレーテルの兄妹は、貧しい木こりの家の子どもでした。
あるとき、国中で飢饉により食料不足となり、両親は食べることに困って、悩んだ末にとうとう二人を森にすててしまいます。二人は、道に迷い森の中をさまよい歩くうちに、お菓子でできた家を見つけます。空腹だった二人は夢中で食べてしまいますが、それは魔法使いの魔女の家で、二人は魔女につかまってしまいます。いよいよヘンゼルが魔女に食べられそうになったとき、グレーテルの機転で反対に魔女を焼き殺してしまいます。
そして、魔女の家で見つけた宝石を手に、何とか無事に家へ帰り、二人を森にすてたことを後悔していた両親と再会し、幸せに暮らします。
細かい設定は本により異なるかもしれませんが、大方はこのような物語でした。
この物語に出てくる魔女のお菓子の家、家がお菓子でできていて食べれるなんて子供の頃は憧れでした。
その憧れのお菓子の家が実際につくられていたらどうでしょうか?
見てみたくなりませんか?
気になりませんか?
まずはこちらのお菓子の家をどうぞ!
こちらはお菓子の家「Jiyugaoka Sweets House」です。
2009年5月3日〜5月6日まで東京・自由が丘駅で展示されていました。
この「お菓子の家」、高さ2mと意外と大きいつくりとなっています。
製作期間は約1ヵ月で、素材はマシュマロやパン、クレープ、キャンディー、シューなど、全部で15種類・400個のお菓子を使っているそうです。
実際に中へ入ることも可能だったそうです。
美味しそうです。どれを食べるか考えてしまいます。
屋根も美味しそうです。大きな葉が気になります。
次はこちら!
こちらは2007年10月6日にアクティ大阪の27階展望ロビーに展示されたお菓子の家です。
こちらも高さ約2mの「お菓子の家」でヨーロッパの家の、秋の風景をイメージして作られたそうです。
ドアや窓、煙突なども精巧に作られたそうで、材料は主にクッキー、チョコレート、シュガーを使い、制作には約1ヵ月を要したそうです。
上記の「Jiyugaoka Sweets House」はかわいい雰囲気のお菓子の家ですが、こちらは落ち着いた雰囲気のお菓子の家ですね。
屋根と煙突が気になります。美味しそうですね。
続いてはこちら!
2015年12月にアメリカのあるアーティストが自分の両親が住んでいる家をDIYしてジンジャーブレッドハウスに変身させました。
両親が住む一軒家を改造して実物大のジンジャーブレッドハウスを作ったのは、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、クリスティン・マックコーネルさんです。
もともと緑色の外壁や赤い屋根があったところに、板をくり抜き、ペンキで塗装して作ったジジャーマンクッキーやキャンディケインを一つ一つ飾りつけていき、おとぎ話のような家が完成したようです。
また、フォトグラファーでもあるクリスティンさんはこの家を使って幻想的な写真も撮影。
ペパーミント(という設定)の芝生に生えているペロペロキャンディをひざまずいて見ている男の子。そのそばにはバスケットを持って家のほうへと歩いている女の子。
そして優雅に歩く白いねこさん。
まるで、これはおとぎ話のヘンゼルとグレーテルの世界です!
二人の前方には家の入口にたたずむひとりの女性。「ヘンゼルとグレーテル」に出てくる魔女というとちょっとこわいおばあさんを想像しますが、クリスティンさんが思い描いたのは、白いロングドレスを着た黒髪の美しい女性のようです。そして2階の窓をよくよく見ると、窓に両手をついて何かを訴えているかのような女の子が!!
この2階の女の子が気になって仕方がないです。
下記は改造前と改造後の写真です。
クリスティン・マックコーネルさんはハロウィンのときもこの家を奇妙なモンスターハウスに変身させています。
こわいですね。大きな目がたくさんです!大きな歯もあるので家に近付くと食べられそうです。
窓にはクモもいます。クモの巣もはられていて、細やかにつくられているのがわかります。
ご近所の方も「次は何だろう?」と楽しみになるでしょうね。
ちなみに、ジンジャーブレッドハウスとは…。
【ジンジャーブレッドハウス】
大辞林 第三版の解説
【gingerbread house】
ショウガ入りのクッキーやチョコレート、キャンディーなどでつくられた菓子の家。クリスマスの代表的な菓子。
かわいいですね。作るのも楽しそうです。
さまざまなお菓子の家をご紹介しましたが、お菓子も一つの建築物となるのですね。
それも美味しそうな家です。
夢がありますね。
最後に『ヘンゼルとグレーテル』はドイツのヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟が編纂した童話集ですが、現在、広く知られている物語は原作とは異なります。
原作のままでは子供向きではないとされ、本来はある残酷な描写などが除かれているようです。
この物語がつくられた背景には飢饉がありました。飢えと貧しさから亡くなる方も多かったと思われます。特に幼い子供は体力もないので尚更でしょう。
現在、憧れの存在となる「お菓子の家」ですが、飢饉があった当時は憧れよりも夢のような存在であったのではないでしょうか。
上記はヴィルヘルム(左)とヤーコプの兄弟。
ヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟の像(ドイツ)